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順位付け是か非か

2022年05月05日 12:29 by norippe


 幼稚園や小学校の運動会でのこと。「どの子も頑張っているので、順位付けはしない方が良い。皆で手をつないでゴールしましょうね。」と言ったことから付けられたのが“手つなぎゴール”である。
 個人の順位がはっきりと付けられる競技は極力減らし、玉入れ、綱引き、ダンスなどのチーム全体で優劣が付けられる種目を多くして、個人戦を極力避ける学校が増えた。確かに順位付けをすると「足の遅い子はやる気を失う」、順位付けをしないと「競争心が起こらないし、つまらない」。それぞれ意見があるのは事実だろう。

 人間はそもそも生まれた時から不平等なもの。暑い国に生まれる人がいれば寒い国に生まれる人もいる。体の大きい人・小さい人、アレルギーのある人・ない人、裕福な家庭に生まれる人・貧乏な家庭に生まれる人、みんなそれぞれ違う。頭のよさも家庭環境やその後の教育による環境要因も大きく影響するが、生まれ持った遺伝的資質もある。足の速さなどの運動神経のあるなしも、そうなのではないだろうか。それを大人が順位をつけないことで避けても、子どもは「自分が他の子よりも出来る・出来ない」は、日々の生活の中でヒシヒシと感じながら生きている。また、幼稚園や小学校の壁面にクラス全員の絵が展示してあれば、順位がついていなくても「あの子の絵は上手い、この子の絵は下手」と、親も子も優劣をつけてしまうものだ。比べるのは人としての自然の感情なのである。

 世の中は競争社会。幼稚園児であれば、あと数年もすれば小学校で点数という形で成績を付けられ、評価されてしまう。社会に出れば尚更だ。順位付けをされないまま育つことで、自分が他人より出来ない場面を目の当たりにしたとき、酷く落ち込んでしまうだろう。適度に挫折感を味わうことで精神的にタフになり、その後の人生で壁にぶつかったり、人より出来なかったときに、そんな自分を受け入れられる精神力も付いていく。
 かけっこは遅いけれども絵が上手いなど、そこでは勝てなくとも、他のことで評価されている子もいる。たとえ一番からビリまで順位付けをしなくても、運動会をやれば勝った負けたは起こること。プールで泳いでも、受験をしても、合否判定されるのも同様だ。

 負けた子にも参加賞を与える、リレーなど運動能力に合わせてグループ分けするなどの配慮は必要だとは思う。しかし、競争は一切させないというのは、実生活の中では出来ないことである。また、子どもは順位をつけられることで、実社会で生きていくために必要な心の強さを身に付けていく。負けた子は、悲しく悔しい思いをすることになるが、それだけで十分心が育っていくはずだ。



 昨年、民間の調査会社が発表した「都道府県魅力度ランキング調査」について、評価の低かった自治体から信頼性や妥当性を疑問視する声が上がり話題を呼んだ。

 昨年の最下位は栃木県で、その栃木県知事からこの調査会社へ猛抗議が入ったのである。栃木県は、日光東照宮を含む世界遺産「日光の社寺」をはじめ、鬼怒川温泉や那須高原、蔵の街・栃木市など有名な観光地を多く抱え、宇都宮餃子や佐野ラーメンなど味覚も豊富。それにもかかわらず全国で最下位とは穏やかではない。栃木県の福田知事はブランド総合研究所に乗り込み、調査方法の見直しを求めたのである。

 また、群馬県の山本知事も10月の記者会見で同様に不快感をあらわにした。 日本一の自然湧出量を誇る草津温泉や、世界文化遺産の富岡製糸場など観光資源に恵まれた群馬県だが、魅力度ランキングでは最下位となった2012年以降も低迷して、2021年は少し上昇はしたものの、それでも40位だ。山本知事は「ランキングは県の魅力を反映していない」と信頼性に疑問を呈し、このランキング結果は県に負の影響を与えるなどで無視できないと判断し、庁内に「検証チーム」を設置したのである。定義があいまいな「魅力度」の結果がブランド力を示す指標として独り歩きし、誤解を招いているというのが主な理由だ。

 過去に7年連続最下位にいた茨城県は、この騒動を静かに見据えていた。外国人観光客にも人気の国営ひたち海浜公園や研究学園都市のつくばなど、魅力は少なくないが2021年は42位である。県は結果にこだわらずプロモーション活動を続けていくといっている。県の営業戦略部プロモーションチームは「魅力の定義もない中での調査なので、どういう調査なのかと戸惑っていた。普通に考えて北関東3県が魅力的でないわけがなく、「何でなんだろう」としか言いようがなかった。ただ、魅力度のランキング上げるために何かしたかといえば、何もしていない」と言う。県の担当者は「魅力度という漠然としたランキングのみ公表され、それが総合的な魅力評価と勘違いする人も多い。お金を払わないと他の調査項目が見られないというのは、国民の誤解を招き、客観性と公平性はどうなのだろうか」と疑問視する。

 ネット上では、結果の信憑性や魅力度ランキング自体を疑問視する声もある。ブランド総合研究所は、この評価は当社がしているのではなく、国民が評価した結果を当社が発表しているだけ。選挙で投票するのは住民の人たちで、それを集計するのは選挙管理委員会。言わば、われわれは選挙管理委員会の立場。やっているのは国民なので、「やり方がおかしい」とか「発表の仕方がおかしい」という怒りの矛先がわれわれに向けられるのはどうなのかと言い切る。
 しかし、低評価の続く北関東3県の関係者を中心に、魅力度ランキング調査に異論が噴出していることに同社の田中社長は戸惑いを隠せない。

 この「ブランド総合研究所」の魅力度ランキングによって、観光のイメージダウンがもたらせることは間違いなくあるが、これは調査会社の感情や思い込みで順位を決めているわけではなく、450万人ものモニター、100人以上の関係者が携わった調査による結果であることは否めない。
 先の子供の順位の問題でも述べたように、県や地域が持つものにも不平等さは必ずある。観光名所の数の多さだけで判断できるものではない。また、評価をする国民にも好みの個人差があるので仕方のない事。
 観光客が行って楽しかった、行ったことがないけど行ってみたいと思わせる魅力作りが不可欠であることは間違いないだろう。最下位になった悔しさをバネに、頑張ってもらいたいものである。

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