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映画「天外者」公開その2  「五代友厚の生涯」

2021年02月24日 15:33 by katsukaisyu

映画「天外者」公開その2 いろいろ感想   

    「日本の近代産業の父、五代友厚」

  近年、明治14年の北海道官有物払い下げ事件で、五代は濡れ衣だと言われるようになってきました。喜ばしいことです。早く、教科書の記述も改正されることを願います。この事件は憲法制定に関して、政権からの大隈重信追い落としがメーンの政治的な事件です。北海道開拓は黒田清隆主導、大久保利通後援の薩摩系の事業ですが、それがうまくいかなかったことは事実です、ただ、開発初期の北海道は道も無く、町や橋もなく、もちろん、鉄道も無しの状況で、そこに産業を入れようとしても、10年、20年で経済的に利益が上がるはずもないのですが、むしろ、この事業は北を見据えた防衛ラインの構築として、必要だったと思います。五代はこの薩摩主導事業の事件に黙して語らず・・だったので、新聞でたたかれますが、このあたりの事情を皆、飲み込んでいたのでしょう。後に訂正記事が出るのですが、そちらは後世の人々は関心が無かったようです。

 2時間ものの映画で、五代の生涯を少年時代から亡くなるまで描くのは尺が足りない!何かのエピソードを切り取って、描くというのも手だったのかもしれません。「龍馬伝」で龍馬の一生を1年間描いていても、このエピが無かった、あれもなかった、でしたし。筆者としては、もう少し、明治以降の五代を見ることができたら、よかったのですが。五代は薩摩の故郷にはついぞ受け入れられずで、つらいですねぇ。龍馬は土佐にとってはそうでもないですけど。

 明治18年、晩年に、五代は本籍を鹿児島から大阪に変更します。次男の五代にとって、薩摩には五代の帰る家はないのですが、薩摩は五代にとって、長年、拠り所だったのでしょう。

 五代が結核だっという話は聞いたことはなく、明治18年9月に東京で亡くなります。糖尿病が悪化してと伝わります。東京滞在中に斃れたのか、療養していたのかは不明ですが、この時期、大阪では淀川の大洪水があり、五代の晩年の自宅のあった淀屋橋近辺も、大変な状況だったのだろうと推測されます。6月に枚方で淀川が決壊し、天満橋、天神橋、難波橋といった大きな橋も流され、3カ月間、大阪は水につかったといいます。

 東京で亡くなった五代の遺体は、鉄道で大阪に送られ、葬儀は大阪で行われました。五代の自宅は現在の日本銀行大阪支店(地下鉄淀屋橋駅すぐそば)の西側部分(江戸期は島原藩蔵屋敷)で、今も五代邸にあったといういちょうの木が残ります。葬列に市民4000人が参列したというのは事実で、御堂筋を人々が埋めたと伝わります。

 よく五代のことを「大阪の恩人」と言います。何しろ、大阪の経済インフラを整備し、維新で壊滅した経済界を引っ張った五代です。大阪には五代の銅像が色々含めて7体あり、確かにそうなのですが、筆者としては、今回の映画のキャッチフレーズ、「日本の近代産業の礎を築いた五代」というのが気に入りました。これからはこれでいきます。なんでも、渋沢は「日本経済の父」だそうですし。2021年の大河ドラマ「青天を衝け」に、五代の登場が決まりました。脚本は「あさが来た」の大森美香さんですしね。演じられるのは、再びのディーンフジオカさん、いいですねぇ。春には五代と渋沢をテーマにしたまち歩きを実施したいと考えています。

 6月には役所広司さん主演の「峠」、10月には岡田准一さんが土方を演じられた「燃えよ剣」の公開が決まったようなので、こちらも楽しみにしています。「青天を衝け」には土方役に町田啓太さんが決まったそうなので、大河に再びの土方の登場もありますね。

 五代を熱演してくださった三浦春馬さん、映画を公開までにこぎつけていただいた田中監督はじめ、関係者の皆様に心からの感謝を申し上げます。良い映画をみせていただきました。最後に新たな五代友厚像を築いてくださった、三浦春馬さんのご冥福を心から、お祈りいたします。 #大阪

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