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50年の歴史に幕「イトーヨーカドー平店」

2021年03月06日 09:37 by norippe



 江戸時代、商業の中心であったいわき市平の一町目から五町目、その先隣りに子安稲荷神社がありました。この辺は江戸時代初期の元和八年に作成された古地図には、足軽町と書かれていて、磐城平城に仕える足軽が多く住んでいた場所のようでした。
 本社はもと岩城氏の居城である白土城(白土館)の地に鎮座していましたが、岩城隆行公の篤い尊信によって現在地にまつられていた子安稲荷神社に相殿として遷座されたのです。宏荘な社殿を造営し「朝日」という巫女に朝夕奉仕させ、別名「朝日稲荷」と称されました。
 立派な社殿と鳥居、間口二十五間、奥行き三十二間半の境内地を有していた朝日稲荷でありましたが、文禄年中朝日宅の焼亡により、社宝・由緒書ともに失われてしまったのです。
五町目に隣接し人家がまばらだったこの地域がやがて開発され立町や禰宜(ネギ)町となりました。現在は六町目と名称が変わっています。小さいながら現在も残る稲荷神社、そのすぐ目の前にイトーヨーカド平店が建っているのです。



 イトーヨーカドー平店は1971年4月に開業。建物は地上5階建て、店舗面積は14,452㎡で、テナントとしては、ファストフードの「ポッポ」、「マクドナルド」、100円ショップ「ダイソー」などが出店しています。また、2013年からはいわき市内を中心とした郊外の買い物困難地域や、震災からの復興地域を対象に、4トントラックによる移動販売「イトーヨーカドーあんしんお届け便」を行っていることも特徴でした。

イトーヨーカドー屈指の古参店であり、福島県浜通り唯一のイトーヨーカドー平店ですが、築50年を迎えて老朽化、さらに東日本大震災による損傷も大きな問題とされていました。
JRいわき駅近くに立地する大規模店として、多くの市民に利用されてきたイトーヨーカドー平店でしたが、残念ながら今年2月28日をもって閉店となったのであります。
 50年という長い歴史の中で、私のお店に対する思いは深いものがあります。40年前、私は営業の仕事でこのヨーカドー平店への訪問は頻繁にありました。そして、30年前はすぐそばに住まいを構え、買い物はいつもこのお店。前にも書きましたが、書店が4階にあったこともあり、エスカレーターで登ること頻繁でした。





 福島県内には平店のほかに、郡山店(郡山市西ノ内)と福島店(福島市太田町)の2店舗があり、こちらも閉店は時間の問題だと言われています。セブン&アイ・ホールディングス傘下の総合スーパー・イトーヨーカドーが、福島県の全店舗を閉店撤退する方向で検討を進めている模様だとの情報が昨年、県内の経済界などで駆け巡りました。
 複数の関係者によれば、「3店舗は順次閉店する方向で準備を進めている。今後、社員は配置転換などで近隣店やグループ会社に振り分けることになるらしい」といわれています。

 イトーヨーカドーは、全国で総合スーパーと食品スーパー184店を展開。売上高は1兆2,532億9,600万円(2015年2月期)。従業員数約3万9千人。
 近年は衣料品の不振などから業績が低迷し、抜本的な業態の見直しが迫られています。2020年2月期までに全体の約2割に当たる40店を閉鎖する検討に入ったことを明らかにしています。新規出店は年1店程度に抑制し、不採算店や老朽化が進んだ店舗を順次閉店するといわれてます。
 地方の不採算店などを閉鎖、都市部の店舗に経営資源を集めて収益改善を急ぐとされていますが、閉店には地権者などとの交渉が必要となるため、計画通り進むかどうかは不透明であります。
 食品や衣料品など幅広く扱う総合スーパーは、カジュアル衣料品店「ユニクロ」などの専門店に顧客を奪われる傾向が以前から続き、収益が悪化。セブン&アイは直近、営業利益で過去最高を見込むなど好調ではありますが、イトーヨーカ堂は衣料品を中心に苦戦。もうけを示す営業利益が前年度に比べて80%以上減少するなど、厳しい業績が続いています。
 東北地方におけるイトーヨーカドーの出店数は、青森県4、岩手県1、宮城県2、福島県3。
 東北や関東の主要都市で相次ぐイトーヨーカドーの撤退ですが、今回の平店閉店を機に福島県の全店舗撤退は現実味を帯びており、復興最中にある被災県の地元経済に与える影響は計り知れないものがあるのではないでしょうか。

イトーヨーカドーの営業最終日である2月28日(日)に店の前を通ってみましたら、駐車場に入る車で道路は渋滞。駐車場の警備員さんたちは、てんてこまいの大忙し。この忙しさが通常であったのなら、お店はまだまだ続いていたのだろうなと思いながら建物を一周して最後のお別れを済ませました。



 

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