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ザ・戊辰研マガジン

2020年1月号 vol.27

公開シンポジウム~戊辰戦争150年を超えて「 会津の義-孝明天皇の御宸翰から」

2022年04月27日 07:51 by tetsuo-kanome
2022年04月27日 07:51 by tetsuo-kanome

 2019年11月17日に会津若松市のワシントンホテルで公開シンポジウム~戊辰戦争150年を超えて『会津の義-孝明天皇の御宸翰から』が開催されました。幕末の会津藩主松平容保が、孝明天皇からの直筆の書「御宸翰」を明治天皇に提出したとする研究成果を基に、会津の義を考えました。パネリストが、会津松平家十四代当主松平保久さん、会津会の柳沢秀夫会長(元NHK解説委員)、室井照平会津若松市長、御宸翰提出の研究をまとめた宮内庁書陵部編修課の白石烈さん(いわき市出身)が登壇しました。歴史作家の星亮一さんがコーディネーターを務めました。我ら戊辰戦争研究会の伊藤会長はじめ総勢9名の皆様も参加されました。この公開シンポジウムは、「財界ふくしま」2020年1月号で詳しく掲載されました。また、2019年12月28日には、福島県のローカルテレビ局「テレビュー福島」で公開シンポジウムの模様が放送されました。

【公開シンポジウムチラシ】

【公開シンポジウムの新聞掲載記事】

【財界ふくしま(2020年1月号)】

【テレビュー福島の模様】

【公開シンポジウムに参加された戊辰戦争研究会の皆さん】

 宮内庁の白石さんは、容保が宮内大臣宅に宸翰を持参する際に旧会津藩士の秋月悌次郎が同行した点などを明かしました。秋月ら戊辰戦争を経験した「明治維新の第一世代」の会津は不明な点が依然あり、「明治の会津を知る上で第一世代の分析と研究が必要だ」と語りました。松平さんは、容保が生前に宸翰を積極的に公にしなかった姿勢を「御宸翰を政治的に利用したくないと思っていたはず」と推測しました。会津には義の心が強く根付いているとし、「今後も会津の人々とともに生きていく」と思いを寄せました。柳沢会長は「悲劇を二度と繰り返さないとの思いで過去と向き合うことが大切だ」と指摘しました。室井市長は「事実を胸に刻み、伝えていく。会津の義をしっかり確認したい」と決意を述べました。

【公開シンポジウムの模様】

 私は、2019年11月17日に会津若松市で開催されました公開シンポジウムに残念ながら参加できませんでしたが、「財界ふくしま」に公開シンポジウムの模様が掲載されていると聞き、早速注文し手に入れました。公開シンポジウムでバネリストの皆さんが語られた全文を読みました。また、テレビュー福島で放送された番組も戊辰戦争研究会の関根さんが録画され、DVDをお送りいただき、何度も何度も拝見しました。このDVDは我家の家宝にしたいくらいです。

 公開シンポジウムのDVDと「財界ふくしま」を拝見して一番感銘を受けたことは、松平容保公が孝明天皇から御宸翰を賜ったたことを政治的に利用しなかったことが、まさに公開シンポジウムのテーマであります“会津の義”であったということです。まさに“義に死すとも不義に生きず”を松平容保公が身をもって示しました。私は、ますます会津藩が大好きになりました。

 また、私が一番驚いたことは、なんと薩摩藩の島津久光が、孝明天皇から松平容保公が御宸翰を頂いたことを知っていて、島津久光の遺言でこの宸翰を明治天皇に提出してほしいと願っていたことでした。薩摩と言えば、まさに薩長で官軍です。どうして、会津に対してそうした思いを持っていたかまさに謎です。そして、明治22年、松平容保公は秋月悌次朗と共に御宸翰を明治天皇に奉呈されました。私が尊敬する秋月悌次朗が関係していたことには大変感激しました。

 また、一番私の心に残ったことは、会津会会長の柳沢さんが語ったことです。“義に死すとも不義に生きず”平たく言えば「ならぬことはならぬ」につきます。「おかしいことはおかしいと言う筋を通す精神なのではないでしょうか」。過去を知ることが悲劇を二度と繰り返すまいというヒント、あるいは考える糸口を見出すためにあると語られたことです。

 会津藩に関する真実がまだまだ国の各省庁に眠っている可能性が高いと思われます。令和の時代に、会津藩の真実が次々と明らかになり、賊軍の汚名が晴らされていくことを強く強く期待したいと思います。

【記者 鹿目 哲生】

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