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ザ・戊辰研マガジン

2023年秋季号 第3号

「地球沸騰化時代が到来」国連事務総長が警告

2023年08月13日 19:12 by tetsuo-kanome
2023年08月13日 19:12 by tetsuo-kanome

 

 世界気象機関(WMO)と欧州連合の気象情報機関コペルニクス気候変動サービス(C3S)は、7/27、今年7月は観測史上最も暑い月となる公算が「極めて大きい」と発表した。

 これを受け、国連のグテレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わり、地球沸騰化の時代が到来した」と警告し、各国に気候変動対策を強化するよう訴えた。発表によると、7月1~23日の世界の平均気温は16・95度で、これまで最も暑い月だった2019年7月の16・63度を上回った。グテレス氏は7月の残り数日間に「ミニ氷河期」が来ない限り、記録を塗り替えることになると強調した。 今年7月は、1日平均でもこれまでの最高気温(16年8月13日の16・8度)を上回る日が相次ぎ、6日に17・08度と観測史上最も暑い日になった。こうした高温について、C3Sの担当者は「人類による(温室効果ガスの)排出が主因」との見方を示した。グテレス氏は「もう言い訳したり、他人が動くのを待ったりする時間はない。人類の責任だ」と強調。20カ国・地域(G20)が世界の温室効果ガスの約8割を排出していると指摘し、9月のG20首脳会議などで「野心的な排出量の削減目標」を提示する必要があると語った。

 また「異常気象がニューノーマル(新常態)になりつつある」と危機感を示した。洪水や干ばつで打撃を受ける途上国の防災強化などに先進国が年1千億ドルを拠出するとの約束を守るべきだと訴えた。先進7カ国(G7)でドイツとカナダ以外は拠出目標を達成していないと懸念を表明した。

 北米でも熱波が吹き荒れております。カナダでは熱波の影響で山火事が止まらず、カナダの山火事は、これまでに韓国やキューバの国土面積を上回る約3000万エーカー(約12万1400キロ平方メートル)が山火事で焼失している。アメリカ北西部ワシントン州で発生した火災がカナダ国内へ広がったことを受け、ブリティッシュコロンビア州南部の町オソヨースとその周辺地域の住民に避難指示が出された。 同町の人々は、火の手が迫ってくる様子をとらえた画像をソーシャルメディアで共有した。観測史上最悪の山火事シーズンに見舞われているカナダでは今月、ほかに2人の消防士が別々の山火事で死亡した。また、ブリティッシュコロンビア州に隣接するアルバータ州では20日、消火剤を散布する活動にあたっていたヘリコプターが墜落し、パイロット1人が死亡した。 カナダで発生している990件の山火事のうち613件は、制御不能な状態という。 6月には、大西洋に面した東部ノヴァスコシア州で同州史上最大の山火事が起きた。 気候変動は、山火事を引き起こす高い気温や乾燥のリスクを高める。世界の気温は産業革命以前から1.1度以上、上昇しており、各国政府が温室効果ガスの排出量を大幅に削減しない限り、気温は上昇し続けると予測されている。カナダでは世界のほかの地域の推定2倍の速さで温暖化が進んでいるとされ、異常気象の発生頻度と激しさが増している。 また、カナダでの山火事で発生した煙は、北米大陸の東海岸沿いを南下し、欧州にまで到達している。北米全域では大気汚染警報が発令された。煙は米東海岸にも広がる可能性があるものの、6月初めのように危険な濃度には至らない見通し。予報によれば、週末が近づくにつれて勢いは衰えるとみられる。 カナダ西部ブリティッシュコロンビア州では、過去1週間に400件近い火災が発生。半数近くは、この期間だけで5万1000件に及んだ雷が原因だった。雨をほとんど伴わず、火が出た時に自然な鎮火は期待できない雷もあった。カナダの森林火災センターによると、17日の時点で続いている火災は全国で882件以上。このうち581件は制御不能とされる。 煙に含まれる汚染物質の微小粒子状物質(PM2.5)は呼吸困難や目、のどのかゆみなどの原因となるほか、肺がんとの関連も指摘されている。

【カナダの山火事】

 アメリカでは、大雨や洪水、竜巻に見舞われた米国の中西部と北東部は現在、カナダで発生した山火事の煙に再び覆われており、視界と大気質が悪化している。米国立気象局は、ニューヨーク州全域と、イリノイ、インディアナ、ミシガン、ノースカロライナ、オハイオ、ペンシルベニア、バーモント、ワイオミングの各州の一部に大気汚染警報を発令。CNNによれば、7000万人が警報の対象となった。 IQAirによると、インディアナ、アイオワ、モンタナ、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルベニアの各州の一部都市では大気汚染度を示す大気質指数(AQI)が165を超え、一般市民にとって不健康な「コード・レッド」レベルに達している。イリノイ州シカゴとミシガン州デトロイトの主要2都市は17日午前の時点でAQIがそれぞれ119と84となり、世界の大気汚染都市トップ15に入った。 米国立気象局は、ノースカロライナ州ウィンストンセーラムやペンシルベニア州フィラデルフィアなどの都市に「コード・オレンジ」警報を発令。これはAQIが101~150で、敏感なグループにとって不健康な汚染度を意味する。 カナダ省庁間森林火災センターによると、同国では現在883件の山火事が発生しており、うち579件が鎮圧されていない。3月に始まった山火事は、気温上昇に伴い6月にかけて悪化し、これまでに消防士ら2人が死亡した。 カナダ天然資源省はツイッターへの投稿で「国土の大部分で8月まで通常より多い火災活動が続く」と予測。米国各地の都市は、今後も山火事の煙の影響を受け続けるとみられる。 米北東部は今月これに先だち、大規模な洪水に見舞われていた。バーモント州では、1000年に1度の大雨が発生。ペンシルベニア州フィラデルフィアでは洪水で少なくとも5人が死亡した。シカゴでは12日、約12個の竜巻が発生している。アメリカ・カリフォルニア州のデスバレーでは、気温が過去最高の54℃に達しました。

【カナダの山火事の影響のニューヨーク】

 アメリカ バイデン大統領 「自然災害で最も命を奪っているのは熱波です。毎年600人が死亡しています」 全米でも気温の高い日が続く中、バイデン政権は、熱波では初となる「危険警報」を出しました。“異常気象の予報精度の向上や、干ばつ対策に200億円以上を投じる”としています。 

 ヨーロッパでも、37℃を超えたギリシャの首都・アテネではパルテノン神殿があるアクロポリスで、観光客ら40人がめまいや吐き気を訴えました。翌日には入場が一時中止され、赤十字の職員らが暑さ対策のために水やパンフレットを配って注意を呼びかけました。ギリシャ中部で7/27、山火事の炎が、空軍基地の弾薬庫の近くまで燃え広がり、大きな爆発が起きました。爆発による死傷者は確認されていませんが、近隣の住民は避難を余儀なされたということです。イタリアのサルデーニャ島のカリャリでは最高気温が45.9℃に達した。ローマやスペインのカタルーニャ自治州でそれぞれの過去最高気温を更新。気温上昇は東京から米フェニックスまで世界的で、ニューヨークでは鉄砲水、カナダでは山火事も発生した。

 米海洋大気局(NOAA)によると、地球全体の平均気温は、観測史上初めて17度を超えた。高温の史上トップを観測されているという。欧州連合(EU)のコペルニクス気候変動サービスでディレクターを務めるカルロ・ブオンテンポ氏は「地球平均気温は3週間の記録として過去最高に上る勢いで、今月全体でも恐らく記録を更新しそうだ」と指摘。「従って欧州で起きているのは、より大きな動きの一部だ」と述べた。イタリアのような先進国ですら熱波への対応に苦慮しており、資源に乏しく医療や公共サービスなど基本的なインフラがそもそも困窮する途上国では、状況ははるかに悪くなり得る。今年の熱波被害はまだ明らかでない。だが、最近の調査によると、昨年は熱波により欧州だけで6万人余りが死亡した。欧州諸国は気温上昇への用意が最も整っていないと警告する報告もある。サルデーニャ島カリャリのバーでは氷の入ったグラスが運ばれてくる。イタリア保健省はローマ、ベネチア、パレルモなど23の主要都市で熱波の緊急警報を発令。スペインやイタリアなどでも、熱波による山火事が多発していて、市民生活に大きな影響が出ています。世界は観測史上最も暑い夏になる可能性があります。 

【イタリアの熱波】

 

【ギリシャの山火事】

 

  

 日本も例外ではありません。今年の7月は日本の観測史上、最も平均気温が高かったことが、気象庁の観測データの分析から分かった。19世紀末に近代的な観測が始まって以降、最も暑かったのは1978年だったが、45年ぶりに記録を更新した。地球温暖化の影響で気温が上がりやすくなっていたことに加え、7月下旬にフィリピン周辺を台風が立て続けに通過し、太平洋高気圧の勢力が強まって気温が上がったとみられる。気象庁は全国各地で観測した1時間ごとの気温を平均し、その日の平均気温として公開している。朝日新聞はこのうち、気象庁が国内の平均気温の基準としている15の観測所について、気象庁の専門家の監修を受けながら、データがある1898年以降の7月1~31日の平均気温から、各年の7月の平均気温を出した。その結果、今年7月の平均気温は25・96度だった。7月上旬は24度前後でそこまで暑くなかったが、10日ごろから26度を超える日が相次ぐように。雨もほとんど降らず、25日以降は1日の平均気温が28度を上回る例のない暑さが続いた。これまでで最も暑かった1978年7月の平均気温は25・58度。この年は梅雨明けが異常に早く、日照りが続いて全国的に気温が上がったほか、水不足もあって稲作に被害が出た。だが、今年はそれを上回る記録になった。熱中症の救急搬送も急増している。総務省消防庁の速報値では、7月3~30日の4週間で、全国の搬送数は3万3千人に達した。

 

 北極圏では、地球沸騰化に伴い「永久凍土の融解」が止まりません。世界の科学者たちがもっとも懸念しているが、シベリアなどの永久凍土の融解が止まらなくなると、永久凍土の中には数多くの“未知のウイルス”が眠っているとみられ、実際に『モリウイルス』という高い増殖能力を持つ新種のウイルス が発見されています。さらにCO2の25倍の温室効果を持つ『メタンガス』が大量に放出される恐れもあります。 これは決して「遠い将来」の危機ではありません。いま、まさに瀬戸際の状況でこの10年の私たちの対策にかかっているという正念場に突入しているのです。

【融解する永久凍土】

 

 一方、世界の海水温が史上最高を更新し、地球環境に厳しい影響を与えております。海洋は気候を調整するうえで、不可欠な役割を担っている。熱を吸収し、地球の酸素(O2)の半分を生成し、気象パターンを作り出している。海水温が上昇すると、二酸化炭素(CO2)の吸収力が下がるため、大気中に温暖化ガスがより多くとどまることになる。氷河の溶解にもつながり、さらに海面が上昇する。 熱くなった海洋と熱波が、魚やクジラといった海洋生物の行動を変化させる。こうした生物が冷たい水を求めて移動すると、食物連鎖が乱れる。専門家らは、漁獲量に影響が出ると警告している。 高い温度に混乱したサメなどの捕食生物が攻撃的になる可能性もある。 米海洋大気庁(NOAA)でメキシコ湾の海洋熱波を観測しているキャスリン・レスネスキ博士は、「海に飛び込むとまるでお風呂のようだ」と語った。「フロリダの浅いサンゴ礁ではサンゴの白化が広がり、すでに多くのサンゴが死滅している」。 英プリマス海洋研究所のマット・フロスト博士は、「我々は海洋に、歴史上かつてないほどのストレスを与えている」と述べ、海洋汚染や乱獲などの影響にも触れた。

【死滅したサンゴ礁】

 

 『地球沸騰化』は、ジョークではありません。『地球沸騰化』は、地球規模の深刻な問題であり、課題が満載です。全地球人の一人一人が現実を直視してやるべきことをやっていかないと、とんでもないことになってしまうと思います。

【記者 鹿目 哲生】

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