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地球温暖化対策~COP26

2021年12月06日 06:26 by tetsuo-kanome

【COP26で演説する岸田総理大臣】

 10/31に衆議院議員選挙があり、投開票の翌日に岸田総理大臣は、「COP26」に出席するために一路イギリスのグラスゴーへ向かい、世界各国の首脳の前で力強く演説しました。小泉進次郎前環境大臣が選挙特報番組の中で、岸田総理大臣が「COP26」に出席されることを誇らしげに、日本の総理大臣が総選挙の翌日に世界的な会議に出席することは前代未聞と紹介しておりました。それほど世界的に最重要課題を話し合われるのが『COP26』です。

 『COP26』とは、「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議」の英語の頭文字を取った略語。国連の「気候変動枠組条約」に参加している国が集まる会議で、今回で26回目を迎えました。「COP」とは「Conference of the Parties(締約国会議)」の略。なお、京都議定書が結ばれた1997年の京都での会議は3回目で、COP3でした。今回のCOP26は、10月31日から11月12日まで、英スコットランド・グラスゴーで行われました。年々上昇する地球温暖化、それに伴い激しさを増す自然災害、北極などの氷が解けることによる海面の上昇、熱波による森林破壊など、数々の現象によって地球と地球上に住む様々な生き物の生存が危うくなっている状態を前に、国際社会がどのような対策をとるのか、話し合うための会議です。地球温暖化の原因となっている二酸化炭素など「温室効果ガス」と呼ばれるものの排出量を、どれだけ減らせるかが、根本的なカギとなっております。温室効果ガスの排出そのものを減らしつつ、すでに排出した分を森林などに吸収させたり除去したりすることで、実質的な排出量をゼロにするいわゆる「ネットゼロ」を、2050年までに実現することが、気候変動の専門家たちから求められております。約120カ国の代表団、科学者、環境保護活動家など2万5000人以上が集まるこの会議について国連は、「無軌道な気候変動をコントロールするため、世界にとってベストで最後のチャンス」と呼んでおります。

【イギリスのジョンソン首相、アメリカのバイデン大統領、グテーレス国連事務総長】 

  COP26の議長国イギリスのジョンソン首相は、開会のセレモニーで各国首脳や代表団を歓迎しました。そして、ジェイムズ・ボンド映画の新作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」を引き合いに、気候変動に対処するための「時間がなくなってきている」と述べました。ジョンソン首相は、ボンドは世界を滅ぼそうとする勢力と戦うことが多いとしたうえで、「(気候変動)は映画ではなく、終末装置は実在する。これこそ悲劇だ」と述べました。「我々が行動せずにいる期間が長くなればなるほど事態は悪化し、最終的には大惨事によって行動せざるを得なくなる。その代償はいっそう高くつくことになる」ジョンソン首相は、「COP26を気候変動問題に本腰を入れるきっかけにしなければ」、「世界の怒りと焦り」は抑えきれなくなると語りました。また、何もかも「一度に」実行するのは無理でも、自分たちには「刻一刻と時間を刻む終末装置」を解除する技術があるとしました。さらにジョンソン首相は、環境に優しい経済へと移行するには、先進国が「他の国々を支援しなくてはならない、特別な責任があることを認識」する必要を強調しました。未来の子どもたちが「我々を評価」 ジョンソン首相は、政治家は2050年や2060年に何をするのかを語るが、COP参加者の平均年齢は60歳を超えていると指摘。将来生まれてくる子どもたちが、自分たちの行動の是非を判断することになると述べました。「我々は失敗やミスは許されない。もしそんなことになれば、未来の子どもたちは我々を許さない。グラスゴーの会議が歴史の転換点だったのに、歴史を変えられなかったと言われてしまう」

【イギリスのジョンソン首相】

 

  アントニオ・グテーレス国連事務総長は、温室効果ガス排出量削減に向けた緊急行動を最も声高に主張する1人。そのグテーレス氏は、「化石燃料への依存が人類を瀬戸際に追い込んでいる」と力説しました。「我々が化石燃料を止めるか、化石燃料が我々を止めるかだ。もうたくさんだと声を上げる時が来た。炭素で自滅するのはもうたくさんだ。自然をトイレのように扱うのはもうたくさんだ。燃やしたり採掘したりして、どんどん深みにはまるのはもうたくさんだ。我々は自分たちの墓穴を掘っているようなものだ」

【グテーレス国連事務総長】

 そして、アメリカのバイデン大統領は、途上国への気候変動対策向けの金融支援として、2024会計年度まで毎年30億ドルを計上することを議会に求めていくことを表明しました。首脳会合では、途上国から気候変動対策について、先進国の金融支援を求める声が相次ぎました。背景には、2009年のCOP15において先進国は途上国への金融支援を2020年までに年間1,000億ドル行うことで合意したにもかかわらず、2019年時点での支援額は約800憶ドルにとどまるとされていることがあります。同様の追加金融支援を表明した欧州諸国とともに、米国は途上国の気候変動対策を資金面で後押しします。 バイデン大統領は演説で、「(謝るべきではないが)前政権でのパリ協定の離脱を謝罪したい」とし、気候変動への関与を言葉でなく行動を示すと述べるとともに、COP26直前に発表した「ビルド・バック・ベター計画」に盛り込まれた気候変動対策を紹介して、前政権との気候変動対策に対する姿勢の違いをあらためて強調した。また、「(気候変動は)人類への脅威で、不作為のコストは日ごとに高まっている」「地球を保護し、世界中の人々の生活の質を高める変革的行動の10年をここグラスゴーから始めよう」と述べて、各国へ気候変動対策の強化を訴えました。また、既に欧州や日本を含む100カ国近くが参加表明している、2030年までに2020年比でメタンガスを30%減らす取り組みについて、より多くの国の参加を訴えました。そのほか、途上国向けのインフラ支援に際しては、議長国の英国やEUとともに、気候変動に配慮することや途上国と緊密に協議すること、官民で十分に資金を拠出すること、など5つからなる基本方針を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますとしております。

【アメリカのバイデン大統領】

 そしてそして、アメリカのオバマ元大統領は、中国とロシアの気候変動対策について「計画の緊急性が欠如しており、危険なことだ」と指摘しました。 オバマ氏は演説で、中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領が、1~2日に開催されたCOP26首脳級会合を欠席したことに触れ「落胆している」と述べました。十分な気候変動対策を取るための「残された時間はなくなりつつある」とし、各国政府や産業界に抜本的な措置への協力を求めました。若い世代に対しては「対策の遅れにいらだつ権利がある」とし、状況改善のための行動に「そのいらだちを利用しよう」と訴えました。 オバマ氏が米大統領だった2015年当時、気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」が採択されました。しかし、その後、トランプ政権が協定から離脱。バイデン政権が今年2月、協定に正式復帰しました。オバマ氏はトランプ前大統領について「パリ協定からの一方的な離脱を決めたことで、私たちのいくつかの進歩が止まった」と非難しました。また、若者に対しては、「怒りを持ち続けて」気候変動と闘うように呼びかけました。オバマ元米大統領は、変化をもたらすために政治的圧力をかけるよう若者に求めた。ただ、その過程では妥協を受け入れる必要があると警告しました。また、世界は将来的な気候変動の大惨事を回避するのに「必要な段階に全く到達できていない」と述べました。気候変動に懐疑的なドナルド・トランプ前米大統領については、「気候科学に対する激しい敵意」をもっていると批判。一方で、アメリカは再び世界をリードする準備ができているとしました。

【アメリカのオバマ元大統領】

 アメリカと中国は、主要な温室効果ガスの1つ「メタン」の排出削減に向けた協力などを盛り込んだ共同宣言を発表しました。世界第1・第2の温室効果ガスの排出国として気候変動対策で折り合いをつけた形で、協調姿勢を国際社会にアピールするねらいがあるとみられます。アメリカと中国の両政府は11/10、気候変動対策の強化についての共同宣言を発表しました。それによりますと、両国は、気候変動対策の国際的な枠組み「パリ協定」に基づいて世界の平均気温の上昇を2度未満にし、1.5度に抑えるために協力して取り組んでいくとしています。具体的には、二酸化炭素の20倍以上の温室効果があるとされる「メタン」の排出削減に向け、排出量の測定などで協力し、来年前半には会合を開いて具体策などを協議するとしています。気候変動対策をめぐっては、バイデン政権が「最大の競合国」と位置づける中国と協力できる分野だとして重視する一方、中国にとってはアメリカとの関係改善に向けた足がかりにしたい思惑もあるとみられます。世界第1・第2の温室効果ガスの排出国として気候変動対策で折り合いをつけた形となり、協調姿勢を国際社会にアピールするねらいがあるとみられます。また、双方が足並みをそろえたことは、年内に行われる予定のオンラインによる首脳会談に向けた環境整備の一環ではないかという見方も出ています。中国は「世界全体にとって有益だ」 とし、中国政府で気候変動問題の責任者をつとめる解振華氏は会見で「この共同宣言は、気候変動対策において中国とアメリカの双方に、協力が唯一の選択肢であることを改めて示している。共に協力することで、両国は多くの重要なことを達成することができる。共同宣言は世界全体にとって有益だ」と述べました。 アメリカは「すべての国が力を合わせることが必要」として、アメリカで気候変動問題を担当するケリー特使は会見で「われわれは協力して前に進むための基本的な枠組みで合意した。この10年間で世界の排出量を45%削減することはとても難しいことで、実現にはすべての国が力を合わせることが必要だ」と述べました。

【アメリカと中国】

 このような展開を終え、11/14、COP26は、石炭の使用をめぐり最後まで交渉を重ねた末、成果文書「グラスゴー気候協定」を採択しました。議長国イギリスが提出した最終合意案には当初、石炭の使用を「段階的に廃止」するという表現が含まれておりました。しかし、合意採択を協議する最後の全体会議でインド代表がこれに反対。「まだ開発目標や飢餓削減に取り組まなくてはならない」発展途上国が、石炭使用や化石燃料への助成金を段階的に廃止すると約束するなどできないと主張しました。インドのこの主張を中国も支持し、各国は最終的に「段階的廃止」ではなく「段階的削減」という表現で合意しました。これには、多くの関係者や環境活動家が落胆を示しております。イギリスの前ビジネス相でもあるアロク・シャーマCOP26議長は、「この終わり方について、謝ります」と全体会議を前に謝罪。「本当に申し訳ない」と述べました。ただし、合意全体を守るためには、不可欠な対応だったと説明すると、声を詰まらせて涙ぐみました。この議長の様子に、各国代表は大きな拍手を送りました。

【涙ぐむシャーマ議長】

 COP26は、11/13、「グラスゴー合意」を採択し、閉幕しました。世界の気温上昇幅(産業革命前比)を1・5度以下に抑える努力を追求すると明記したほか、石炭火力発電の段階的な削減に向けて努力することを初めて盛り込みました。気温上昇幅については、2015年に採択されたパリ協定で、2度未満を目標とし、努力目標として1・5度を掲げました。条約事務局によると、1・5度に抑えるには30年の世界全体の温室効果ガスを10年比で45%削減する必要があるが、10月25日時点の各国の削減目標をすべて達成しても13・7%増えると予測されております。合意では「1・5度以下に抑える努力を追求することを決意する」と明記し、1・5度を目指す姿勢を強調。さらに22年末までに必要に応じて各国の30年の排出削減目標を強化、再検討することを要請しました。石炭を巡っては、排出抑制対策を講じていない石炭火力発電について「段階的な削減に向けた努力を加速する」ことを盛り込みました。さらに非効率な化石燃料への補助金も段階的に廃止するとしました。COPの合意文書に石炭の制限に関する文言が盛り込まれるのは極めて異例です。先進国が途上国に脱炭素の支援をした場合に、削減量の一部を先進国側に計上できる国際取引のルールについても合意されました。パリ協定で唯一、合意できていないルールでしたが、これでパリ協定の実施指針が完成しました。会議は10月31日に始まり、11月12日に閉幕予定でしたが、交渉が難航して1日延長されました。

【COP26閉幕の模様】

 今回のCOP26は、全世界の首脳が集まり地球温暖化対策にこれだけ議論され、交渉が難航したり、若者たちのデモ行進にも注目されました。結果的には、一歩前進だったと思います。若者たちに対してオバマ元大統領が「怒りを持ち続けて」と語りかけたのが一番印象に残りました。

若者たちの怒り

 「地球温暖化対策の重要性」については、一人でも多くの人に意識してもらうだけでも一歩前進かと思います。意識が大事です。毎日なにげなく飲んでいるペトボトルのリサイクルからでも始めることができます。全世界の一人一人が未来の子供たちのために何とか地球温暖化に歯止めをかけなければなりません。

【記者 鹿目 哲生】

 

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