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震災遺産を考える〜次の10年につなぐために

2021年01月26日 16:40 by tetsuo-kanome

【震災遺産を考える〜次の10年につなぐために(会津若松市福島県立博物館)】

【津波で流された常磐線「富岡駅」】

 東日本大震災と東京電力福島第一原発事故から十年になるのを前に、会津若松市の福島県立博物館で今年1/16から企画展「震災遺産を考える〜次の10年へつなぐために」が開幕しました。震災と原発事故の被害を伝える品や収集の背景を紹介し、未曽有の大災害の教訓を考察します。三月二十一日まで。例年は特集展として開催してきたが、今年初めて規模の大きい企画展としました。震災発生時刻で止まった時計、津波で被災したJR常磐線の線路や道路標識、住民に配られた安定ヨウ素剤、津波被災前の町の様子を再現したジオラマや津波の痕跡が残る老人保健施設の壁紙など約百七十件を展示します。震災遺産関係者の言葉や学芸員が震災遺産をどう読み解いたかなども示します。地震、津波、原発事故の被害を伝える第一部、学芸員が震災遺産とどう向き合ったかをまとめた第二部、震災遺産が未来へ何を伝えるかを考える第三部の構成。

 1/16には、福島県立博物館にて「震災遺産を考える〜次の10年へつなぐために」の見どころ解説会が同館講堂で開かれました。展示を担当した筑波匡介副主任学芸員が、展示されている「震災遺産」の収集の背景や展示に込めた思いなどを語りました。同展には、震災後に同館が収集、保全を開始した震災遺産174件が展示されております。筑波副主任学芸員は、地震や津波の壮絶さを示す、止まった時計や火災で溶け落ちた街灯などを映像で示し「自然の力の大きさを感じる」と述べました。取り残された牛が空腹に耐えかねてかじったと考えられる、牛舎の痩せ細った柱などについても「震災を伝える大事な資料」と解説しました。全町避難で一日限りとなった富岡町の災害対策本部を再現した展示については「福島の経験を如実に物語る」と貴重さを語りました。その上で、「展示を通じて福島の復興とは何かを考えてほしい」と訴えました。会場では、震災の発生時刻ごろにとまった時計(いわき市、富岡町など)やJR富岡駅の駅名電光板(富岡町)、請戸漁港看板(浪江町)、避難所の前に掲げられた立て看板(会津若松市)、県外避難者に送られている新聞(川崎市)などが並びます。また、富岡町の災害対策本部跡を再現したコーナーもあります。メインテーブルの上に残された多数のメモ書きや、そばのホワイトボードに書かれた「津波…曲田、小浜地区の車輌(しゃりょう)流されている」「原発 2F 4号停止」の文字は当時のひっぱくした様子を伝えております。パトカーの一部も展示されており、最後まで避難する町民を誘導していた警察官が乗っていたパトカーです。この警察官は津波に流されて残念ながら亡くなっております。

 

【福島県立博物館のホームページに掲載されたコメント】

 東日本大震災の発生から10年がたちます。「震災遺産を考える」をテーマとして、毎年特集展を開催してきました。こうした積み重ねから、今回は初めて企画展を開催します。 震災遺産収集の背景や、収集にたずさわった学芸員の思いなど、新たな視点を加えた展示です。本展を通して、これからの10年を一緒に考えてみませんか。 災害を自分事化できるように。そしてこれからの未来を考えられるように。本展が自分との対話の場となるように。 東日本大震災という大災害から、私たちは何を受け取るべきなのか。 当館が過去5回の特集展のタイトルを「震災遺産を考える」としてきたのは理由があります。私たち博物館も手探り状態で考え続けてきました。簡単に答えが出ない問題だからこそ、この場をつくり、これからの10年も皆さんと一緒に考え続けたいと思っています。

【福島県立博物館の外観】

 福島県立博物館は、鶴ヶ城近くにあります。今回開催されております「震災遺産を考えるー次の10年につなぐために」は、その企画展名のとおり素晴らしい企画であり、一人でも多くの方に見て頂きたいと思います。もちろん、私も行きたいところですが、コロナ禍の中、なかなか会津若松市まで足を伸ばせない事情もあります。『わすれてはいけない歴史的な遺構』として語り継がれていかなければならないと強く思います。

【記者 鹿目 哲生】

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