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ザ・戊辰研マガジン

2019年10月号 vol.24

関東幕末紀行 東京都内編その1

2019年09月30日 18:06 by katsukaisyu
2019年09月30日 18:06 by katsukaisyu

  2011年のNHK大河ドラマは「青天を衝け」で、渋沢栄一が主役とのこと。再び、 幕末明治です。渋沢は一橋家の家臣で、慶喜について京都に来ていまして、京都の政 局もドラマ化してくれそうです。土方歳三との絡みがあるエピソードが残されていま すので、新選組も登場してくれそうです。脚本が「あさが来た」の大森美香さんで、 再びの土方登場を期待しています。いずれにしても、青春物語をやるようなので(主 役は25歳の吉沢亮さんですし)、幕末の尺を長く取ってくれることでしょう。渋沢は 維新で28歳です。西の五代、東の渋沢なので、五代さんも出してくれるかもと、期待 しています。

 さて、今年は箱館戦争終結から150年、土方歳三没後150年ということで、日野で 大々的に日野祭をすると聞き、久しぶりに東上してきました。まずは、東京都内編で す。

 久しぶりに東京駅に行くと、えらくきれいになっていました。駅が観光名所になるというのもいいですね。設計者は辰野金吾です。  こちらは駅から皇居へと続く道です。江戸期は各藩の武家屋敷がずらっと並んでいた場所です。

 都内の北側、南千住にある回向院です。かつては小塚原と呼ばれた刑場のある場所でした。

 安政の大獄など、幕末の政治事件で処刑された方々の墓が残されています。

 橋本左内の墓です。今回の旅は、春に建碑させていただいた左内や岩瀬の墓参りをして、ご報告をするのが眼目の一つです。なんでも左内は処刑された後、越前松平家の家臣が、外で待ち構えていて、即刻遺体を引き取り、墓を造って埋葬したのだとか。造った墓石があまりに立派だったので、幕臣からクレームが来て、造り直したのが、この墓だと銘板に書かれていました。明治になって、墓石ごと遺体は福井へ帰ったものの、そちらで超立派な墓を造ったので、この墓石は元の回向院に返され、今にいたります。福井の皆様に今も愛されている左内です。

 左内は15歳で大坂の適塾に入門しました。適塾は今でいえば、医学部の大学院のようなものなのですが、地元には適塾で左内が他の塾生より劣っていたという話は残っていません。左内は大坂で蘭学を通して、世界を見たのでしょう。映画「アルキメデスの大戦」で菅田将暉さん扮する東大の数学専攻の天才が登場しますが、あんな感じだったのかもしれません。

 吉田松陰の墓石です。松陰も遺体は別の所に埋葬し直されています。最初に葬られたのが回向院なので、後に墓石が造られました。他にも、梅田雲浜、頼三樹郎、関鉄之助などの墓石がありました。皆さん、非業の最期です。

 次いで、雑司が谷墓霊園にある岩瀬忠震(ただなり)の墓です。瑞泉寺の門前に銘 板を設置させていただくにあたって、銘文を書いてくださった佛教大の青山忠正先生 は、岩瀬の死は「憤死」と評されたと記されています。安政の大獄ではさぞかし無念 だったことでしょう。もう少し、日本の外交で活躍したかったでしょうに。京都での 足跡を顕彰できたと、お墓にご報告してまいりました。京都木屋町三条に石碑があれ ば、岩瀬の名がもっと皆さんに知られることになるでしょう。ご遺徳を偲びたいと思 います。この方がハリスと交渉して、日米修好通商条約を結んだがゆえに、日本は列 強から国として認められ、植民地にならずに済みました。

 雑司が谷には永井荷風や小栗上野介らの墓もあり、お参りしてきました。同行した東京在住の知人が、聞いたことのない場所へ行けると、楽しんでいました。まぁ、確かに花の東京に出てきて、墓巡りばっかりというのも、えらくマニアックな旅です。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

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