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ザ・戊辰研マガジン

2019年10月号 vol.24

今月号の表紙

2019年10月06日 23:31 by norippe
2019年10月06日 23:31 by norippe

 今月号の表紙は福島県の奥会津「柳津町」にある福満虚空蔵尊圓蔵寺(ふくまんこくぞうそんえんぞうじ)。
 8月の末に、この圓蔵寺のすぐ近くにある花ホテル滝の屋にて、星先生の講演会がありました。ホテルへ行く通り道から撮影した写真を今回の表紙に使いました。
圓蔵寺の下にある道路から見上げる形で撮影しましたが、只見川の対岸からの撮影アングルですと、もっと魅力的な圓蔵寺全体の写真が撮れたと思います。


福満虚空蔵尊圓蔵寺

 この福満虚空蔵尊圓蔵寺は千二百年にもおよぶ歴史を誇るお寺。
 その昔、空海が修行の地、中国から霊木と三鈷(さんこ)を海に投げそれらが留まったところを霊地にしようと日本にもどりました。そして探すと三鈷は紀伊にあり、そこに高野山金剛峯寺を創建。霊木は、紀州から安房に漂着していて、これを元・中・末の三つに割って海に投げいれた。元木は安房国の清澄に漂着し、この地に「能満虚空蔵」(千葉県 清澄寺 能満虚空蔵菩薩)を、中木は常磐国村松に漂着し「大満虚空蔵」(茨城県 日光寺 大満虚空蔵菩薩)を刻みました。末木が流れ着いたところがここ「柳津」だったということで「日本三大虚空蔵」と言われています。
 虚空蔵菩薩は無限の智恵と慈悲を持った菩薩という意味があり、そのため智恵や知識の御利益がある仏として信仰されていて、地域の子供たちは13歳になると「十三詣り」をして知恵がつくようお詣りする風習があります。

 またこの福満虚空蔵尊圓蔵寺では、毎年1月7日に「七日堂裸詣り」という1000年以上も昔の伝説が起源になっている伝統行事が行われます。フンドシ姿の男達が本堂を目指し、1年の幸福と無病息災を祈願して大鰐口(おおわにぐち)の綱を威勢良く競いよじ登るというものです。(大鰐口:綱を振り動かして打ち鳴らす仏具)
 その昔の伝説によると、かつて、この地は不作や疫病に長く悩まされていたが、虚空蔵尊のお告げを受けた弥生姫が、只見川の底に棲む龍神から如意宝珠を借り受けることで、その不幸を調伏することが出来ました。しかし、数年後の1月7日の夜に、龍神はその宝珠を取り返すべく、菊光堂に現れたのです。そこで信者たちは宝珠を渡すまいと、堂内で結束。必死に騒ぎ立て、龍神を追い返すことに成功するのです。この「七日堂裸詣り」は、その時の団結の尊さを今に伝えるものなのです。


会津物語より七日堂裸詣り画像転載


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