ザ・戊辰研マガジン

2018年07月号 Vol.9

オラ東京さ行ぐだ!

2018年07月04日 11:05 by norippe

 6月の小雨が降る日曜日、私は車に荷物を満載し、いわきの家を出て常磐高速道を走った。行き先は娘のいる東京の大塚。
積載オーバーではないかと思うくらい隙間なく荷物がビッシリ。バックミラーは荷物の山で後方視界ゼロ。左のサイドミラーは荷物の隙間からかろうじて見える程度。頭を傾けると見えなくなるので頭は動かせない。高速道路での車線変更は危険が伴うので、追い越し車線は走らないようにした。平均時速80キロの安全運転であった。
 しかし、私の車より遅く走る車があるのには困った。遅く走れば安全と思っている人がいるようだが、それは間違いだ。高速道路の場合、最低速度というものが定められている。高速で走っている中、遅すぎる車はかえって危険が伴うのだ。
その遅い車を追い越して、運転席を見ると白髪頭のお爺ちゃんだった。こっちも大して変わらない白髪頭の爺様だが、流れに乗って走れる分、こっちのほうがまだマシだ。こんな遅すぎる車の後ろはまっぴら御免ということで、さっさと追い越した。たまに追い越されたのが気に食わないとスピードを上げる車もいるが、このお爺ちゃんはマイペース。左サイドミラーに映るお爺ちゃんの車はみるみる小さくなっていったのである。

 私はいつも、朝起きるとまずは神棚に水を上げ、そして仏壇にお茶を二つ上げて手を合わせる。そしてアメリカンコーヒーを飲むのが一日の始まりなのだ。
この日は忙しかったので、コーヒーを飲まないで出発した。運転中、無性にコーヒーが飲みたくなった。水戸の友部パーキングに立ち寄ってコーヒーを飲むことにした。車を降りて売店に向かう途中、茶碗などの焼き物の店が露天販売をしていた。高いのか安いのかわからないが、おばさま連中が群がって品定めをしていた。そのおばさま達、どうせ見るだけだろうと思ってそばで様子を見ていたら、結構買っていた。一人が買うと、つられて他の人も買う。これが不思議だ。最初に買った人はサクラではないのか。
 売店に入ったが、ゆっくりしている暇もないので、とりあえずコーヒーを買った。大型自動販売機はドリップで入れたてのコーヒーが買える。しかし値段は200円。コンビニだと100円で買えるぞ。自動販売機にはモニターが付いていて、コーヒー豆を挽いてコーヒーを落としている様子が映し出されている。「あなたのコーヒーをドリップしています」とメッセージが出ている。そんなのわかっている。俺が200円入れたのだから俺のコーヒーに決まっているのだ。それより早く出してくれ。セブンイレブンはもっと早いぞ。
 そうこうしているとやっと出てきた。フタがちゃんと閉まって出てきた。以前、初めてこのコーヒーを飲んだ時、私はフタを外して飲んでいた。そうしたらフタをしたまま飲むんだよ!と娘に教えられたことがあった。フタの出っ張りをプチッと押すと穴が空き、そこから飲むことが出来るのだ。なるほど、これは便利だ。フタを空けたままだと車を運転しながら飲むのは厄介だが、これだと簡単に飲める。

 常磐道は水戸インターを過ぎると片側三車線になる。荷物を積んでいなければ真ん中のレーンを走りたいところだが、ここでも左のレーンを走ることにした。水戸インターからは車の数も増え益々危険度が増す。利根川の大橋を渡るとなんとなく東京に近づいたという感じがする。超高速!参勤交代では、この川が行く手を拒んだ。昔は川を渡るだけでも大変だったのだ。
 車は千葉の柏を抜け常磐道三郷料金所に到着。一般道ゲートで料金4,300円を支払った。昔、間違ってETCゲートに入ってしまったことがあり、ゲートでモタモタしていたら後ろから来た車に怒鳴られたことがあった。そんなに怒らないでくださいよ。こっちは田舎者なんだから。
 そして車は三郷料金所を抜け今度は首都高料金所に突入。しばらく車で来ていなかったのでわからなかったが、首都高料金が1,300円になっていた。最期に首都高を利用した時は確か800円だった。ずいぶん高くなったものだ。

 東京に来ると、いつもは堀切ジャンクションを銀座方面へ行く事が多いのだが、今回の行き先は池袋方面なので、ひとつ手前の小菅ジャンクションを右に折れた。
初めて通る首都高中央環状線だ。荒川と並行して走るこの首都高中央環状線、眺めもよく都心全体がよく見渡せる。扇大橋を過ぎると次は江北ジャンクション。まっすぐ行くと埼玉の川口を経て東北縦貫道に行ってしまうので、ここを左の都心方面に折れる。
 大塚に行くには王子インターで降りるのだが、王子インターには北と南がある。どちらを降りるか考える暇もなく、王子北インターに来てしまった。この先は板橋で、なぜか王子南インターがカーナビに出て来ない。あとで地図を見てみたら、江北ジャンクション側から来た場合、王子南インターの降り口は無かったのだ。



 王子北インターを降りてJR王子駅前を通り、飛鳥山公園の横を走った。飛鳥山公園は昔、デートで何度か行った事があった。懐かしかった。

 そして道路は明治通りに出てここを右折する。このまままっすぐ進めばJR池袋駅の東口に出るが、途中の上池袋交差点を左折するとJR大塚駅だ。この上池袋交差点を曲がって走ること800m位かな、大塚の繁華街に入り、ようやく目的地に着いた。

 娘は首を長くして私の到着を待っていた。私を待つというより荷物を待っていたのだ。
 荷物を降ろして整理し終わったのが17時過ぎ。疲れたので、駅前で飯でも食おうということになった。

 車はマンションのすぐ近くの道路に路駐した。路駐といってもちゃんとした駐車スペースがあって、道路両脇に20台くらいは止められるようになっていた。駐車料金はどこで払うのかと料金メーターを探した。歩道のところに料金の機械があって、300円で60分駐車出来ると書いてある。300円を入れて車のナンバーを入れるとチケットが出てきて、そのチケットをフロントガラスの内側に張り付けて駐車する決まりになっているようだ。しかし、駐車している車を見ると、どの車にもチケットが張られていない。どの車も無賃違法駐車をしているようだ。ひとりだけ良い子ぶっても仕方がないので、私もみんなに見習ってそのまま無賃駐車。時々パトカーが巡回しているようだが、みんな仲間だ怖くない。
 車を置いて、駅前の居酒屋に入った。私は車の運転があるのでソフトドリンクを頼んだ。喉が渇いていたので、がぶ飲みをした。そして腹も減っていたので焼き飯を頼んだ。静かに飯を喰いたかったが、近くにいた団体がやけにデカイ声を張り上げて騒いでいた。中でも一人の女が飛び抜けてデカイ声で大笑いしている。どんな女だと立ち上がって見てみたら、歳をとったおばさんだった。もっとも、居酒屋で静かに呑めという方が間違っているのかも知れない。彼女らにとっての居酒屋は仕事のウップンを晴らす場所。そしてそれが楽しい時間なのだろう。ここは我慢するのが賢明だと思った。

 居酒屋に1時間以上はいただろうか。そろそろ帰る事にして私は駐車場に戻った。車は違反忠告もなく無事だった。次回来た時はちゃんとお金を払って止めることにしよう。(ホントカ?)

 娘に見送られ、来た道を戻ることにした。明治通りを王子方面に車を走らせ、飛鳥山公園のТ字路を左折して王子駅に出た。今度は王子南インターから乗ってみようと料金所に入った。しかし、なんとなく不安だったので料金所のおじさんに聞いてみた。
「ここから常磐道は行けますよね?」
「常磐道ですか?ちょっと待ってください、地図を見てみますから。」
と言ってしばらく地図を眺め、おじさんは言った。
「行けないことはないですけど、王子北のほうが簡単に行けますけどね」
素直に朝来た王子北インターから乗れば良かったものを、もう南インターの料金所に入ってしまってからは後戻りが出来ない。おじさんは「都心をグルットまわる形で、かなり遠回りになりますけど、常磐道には行けます。」「左・左に曲がって下さい。ちょっと間違うと東名高速方面に行ってしまうので、間違わないで気を付けて行ってくださいね。」と言ってくれた。「有難うございます。」と言って私は料金所を通過して、夜のネオンがまばゆい都心の高速を走った。荷物がないので車は軽快だ。
 ビルからビルの間を通り抜け、料金所のおじさんの言う通り、それぞれのジャンクションを左・左と曲がって走って行ったのだが、どこでどう間違ったか、東名高速の表示が目の前に見えて来たのだ。
 しまった!道を間違えた。おじさんが心配していた事が現実のものになってしまった。
 皇居北にある竹橋ジャンクションで一ツ橋方面に曲がらなければならなかったものを、真っすぐ行ってしまったのだ。標識には一ツ橋出口と書いてあったものだから、まさかジャンクションとは思わなかった。くそ、一ツ橋め!慶喜が悪さをしたか?とりあえず次のインターで降りる事を考えた。一番近い降り口は霞が関だ。霞が関で降りてしばらく考えた。
 やはり慣れたインターから乗るのが一番無難であると考え、いつも高速バスを利用する時、高速バスが東京駅近くの宝町インターから乗るのを思い出した。そして車を東京駅方面に走らせたのだ。
 途中、皇居の桜田門の横を通った。井伊直弼はここで首を斬られたのだ。フムフム
 そんな歴史に浸っている暇はない。今は無事に宝町インターに辿り着く事が先決だ。
 皇居前の日比谷の交差点に差しかかった。ここを左に曲がると東京駅丸の内口。正面には皇居の坂下門がある。安藤信正の顔が浮かぶ。おお我がお殿さま!
 その手前は会津藩上屋敷があった場所だ。松平容保もここにいたんだよなぁ!容保さまぁ~
 俺は何を考えている。そんなことより今は宝町を考えろ。
 そして車は交差点を直進し有楽町の線路の下をくぐり、銀座四丁目を通過。
 昔からそうだけど、日曜日の都内の道路は空いている。これが月曜日や金曜日となると営業車両が多く走っていて、道路は混雑している。車線変更にも苦労する。今日は日曜日だったので思う通りに走れて助かっている。そして車は東銀座の昭和通りに出た。
 明治通りがあって昭和通りがある。平成通りはあるのか?
 そんな事を考えてどうする。早く宝町インターを探せ!
 そうか、この昭和通りを左折すると東京駅近くの宝町インターに着くはずだ。
 首都高の標識を探した。
 あった!宝町インターだ。感激だ!しかし涙は出なかった。そして料金所に入った。
 さっきお金払ったんだけど!って言っても無理だろうな?
 ふたたび1,300円を払って無事首都高に乗る事が出来たのだ。

 あとでじっくり地図をみたら、霞が関で降りなくとも常磐道へ行く事は出来たのだった。時間とお金を無駄に使ってしまったが、久々の夜のネオン輝く東京都心を走れただけでも良かったかなと思った。

 車にはカーナビが付いているのだが、まず最初に乗った王子南インターは最近新しく出来たインターらしく、私の古いナビには出て来なかったことが間違いの元だった。さらに、この日は小雨が降っていて標識の文字が見えにくかった事。首都高は何度か利用しているので大丈夫だろう、という安易な考えが間違いの元だった。ナビで行き先を登録しておけばどうにかなったと思うのだが、それを手抜きした事もいけなかった。
 次はいつ来るかわからないが、今度来た時は大丈夫だろうと思う。だが、間違いは忘れた頃にやってくる!自信過剰は禁物だ。

(記者:関根)


読者コメント

コメントはまだありません。記者に感想や質問を送ってみましょう。

バックナンバー(もっと見る)

Vol.7

戊辰戦争研究会が発行するマガジン、「戊辰研マガジン 第7号」です。

Vol.6

戊辰戦争研究会が発行するマガジン、「戊辰研マガジン 第6号」です。